- ジョン・ブラッドショー『猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理』
- 山根明弘『ねこはすごい』
- ピーター・P・マラ+クリス・サンテラ『ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する』
- 森博嗣『赤目姫の潮解』
- 大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』
- メラニー・ジョイ『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか カーニズムとは何か』
- クレア・マセット『英国の喫茶文化』
ジョン・ブラッドショー『猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理』
[https://twitter.com/auk_eon_so/status/1609490989319868417:embed#ジョン・ブラッドショー『猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理』読み終わった。ネコのより良い
未来のために、人間はもっとネコを理解する必要がある。ネコの起源、人との関わり、ネコと飼い主、野生動物との関係性、そして未来の展望を探る。2… https://t.co/DRk9BfoOg8]
これからも、今までのようにネコが人気を保ち続けられるかはわからない。ネコと人のさらなる幸福な関係を目指し、ネコへの理解を深めるための論が展開されます。ネコの起源も、ネコが世界をどう認識するかも、ネコと飼い主との関わりも、まだまだ分からないことだらけ。それでもこの本一冊でネコの知識とこれからへの心構えを得ることができます。
山根明弘『ねこはすごい』
山根明弘『ねこはすごい』読み終わった。ねこの生き様、ハンターとしての能力、いかにひとがねこに魅了されてきたか。そしてねこと人の共存のために何が必要か。どれも詳しく述べられていて、ねこのすごさとこれからについてを概観できる。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月7日
そう、ねこはすごい。その身体能力が、その生命力が、その癒しのパワーが。本書ではねこに秘められた力を様々な観点から解説し、人がねこに夢中になってきた歴史が語られます。身近な動物であるねこのことをきちんと知りたい、ねこと人との関係性を考えたいという場合には最適な一冊でした。
ピーター・P・マラ+クリス・サンテラ『ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する』
ピーター・P・マラ+クリス・サンテラ『ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する』読み終わった。野外で暮らす野良ネコ、外出が許されている飼いネコを「野放しネコ」としてそれらが引き起こす問題を論じる。野鳥などへの悪影響はイメージしやすいところだったが、人にも感染する病気の媒介は
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月12日
盲点だった。このまま野放しネコを放置していればどんな未来が待ち受けているか、私たちは真剣に考えなければならない時が来ている。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月12日
外で見かけるネコたちは、自由でのびのびとした自然な風景のひとつ……ではなく、人を含めた生物への脅威のひとつ。生態系への悪影響、感染症の媒介による人の健康への悪影響を徹底的に論じ、さらにその解決策と解決策が抱える欠陥にも踏み込んで話が進みます。一貫して問題は人間の行為と意識の持ちようにあるとして、ネコと人と自然のために何が最善かを探る大きな手掛かりを与えてくれる本でした。
3冊連続で猫に関わる本を読んできましたが、まず理解すべきは猫という動物の家畜としての特殊性ではないかと思います。人間との関わりにおいて猫が他の動物と違っている点を分かっていれば、猫にまつわる諸問題への理解度もより高まるのではないでしょうか。
いずれにしても、猫が人に与える心理的な影響が大きいがために、猫と環境の課題は解決するのが難しそうです。ただ、猫を取っかかりとして環境問題に興味を持つという流れは十分あり得そうだし、猫と環境の課題に一歩でも前進があれば、その他多くの課題にも光明が見えそうではあります。
まずは知るところから。猫の本をみんなで読みましょう。
森博嗣『赤目姫の潮解』
森博嗣『赤目姫の潮解』読み終わった。百年シリーズ最後の一作ということで読了。どこか非現実的な舞台で他者の意識と同調してしまう不思議な現象が起き、前作から出てきていた問いが引き継がれ掘り下げられていく。一度で理解できたとは言いがたい。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月14日
他の人の意識と"混信"が起きる瞬間が楽しかった
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月14日
ミチルもロイディも出てこないけど、物語の中心に据えられているものは一貫しているからやはりシリーズもの。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月14日
読みながら、いったいどうしたらこんな物語を書けるようになるんだろう?と思っていました。作者の脳内をのぞいてみたくなってしまいます。たぶんのぞいたところで理解できませんが。深く読み込んだ人の感想をじっくり聞きたいです。
大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』
大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』読み終わった。フルート奏者の筆者が様々な視点から音楽と人間のかかわりを論じた一冊。人は音楽に何を求め何を見出すのかに迫った部分は特に面白く読めた。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月18日
第二章「音楽そのもの」との交歓
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月18日
この章で書かれていた、音楽からの呼び声に応えるという部分は他のクリエイティブな行為にも言えそうで読んでいてドキドキした。描こうとしている絵から、書こうとしている詩や物語からの呼び声に応えようとしているかどうか。
実は、アコースティックギターを弾けるようになりたい、という夢が私にはあります。また、美学や音楽の歴史にも興味があるので手に取ってみた本です。フルートを通して音楽に向き合い続け、その奥深い世界を垣間見た筆者の経験談はとても興味深く読めました。
メラニー・ジョイ『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか カーニズムとは何か』
メラニー・ジョイ『私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか カーニズムとは何か』読み終わった。ある動物を食べるのは嫌なことで、別のある動物を食べるのは当たり前なこと。この一見当たり前な感覚を生み出すのはいったい何かを徹底的に追った一冊。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月22日
カーニズム(肉食主義)と名前を付けたとき、それは正体を現す。この本を読めば、社会とそこで生きる自身がはらんでいる矛盾に目を向けざるを得なくなる。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月22日
ペットになる動物と家畜になる動物は何が違うのか。あるときから、漠然とこんな疑問を持つようになりました。本書を読もうと思ったのはその答えに近づけると思ったからですが、この本はそんな疑問をはるかに超えた場所へ連れていってくれました。
菜食主義、そして完全菜食主義という言葉が広く知られています。特に後者はヴィーガニズムとして、その信条を実践する人を指すヴィーガンと共によく聞くようになりました。
では、そうではない人たちを指す言葉は何か。ベジタリアンでもヴィーガンでもない「普通の人」ではなく、肉食主義者です。
日常的に動物の肉を食す。これはなんとも呼ばれないほどに普通のことではないと気付くところからが始まりです。読み進めれば読み進めるほど、それが当たり前のことにされた仕組みが露わになっていき、以前と同じように肉を食べるのは当然のことだと思えなくなります。目から鱗が落ちるとはこのことでしょうか。読む前と後とでこんなに変化を感じる本は今までなかなかありませんでした。
クレア・マセット『英国の喫茶文化』
クレア・マセット『英国の喫茶文化』読み終わった。お茶が初めて英国に到達してから現代に至るまで、人々にどんな風に親しまれてきたかが図版も豊かに語られる。お茶(特に紅茶)といえば英国、その文化がいかに形作られてきたかの理解に最適。
— あおのすけ (@auk_eon_so) 2023年1月23日
17世紀、海を渡って英国にもたらされた茶。それから今日に至るまで、時にカジュアルに時に高級感たっぷりに嗜まれ続けているその歴史を追いかけていく本です。輸入量の増加→需要の高まり→輸入量の増加……というサイクル、上流階級から幅広い層へ喫茶の習慣が広まっていく様、次から次に紹介される茶を楽しむための様々な道具や施設などなど。これらを読むことで、「お茶といえばイギリス」のイメージがより具体的になりました。