つきすみわたる世

日々の記録

2024年3月に読んだ本

スザンヌ・フェイジェンス・クーパー著 安達まみ訳『エフィー・グレイ ラスキン・ミレイと生きた情熱の日々』

これはヴィクトリア朝期を生きた一人の女性の評伝です。彼女の人生は映画化もされているため、タイトルの名前を知っている方もいるでしょう。社交界にスキャンダルをもたらした彼女の人生を、変に誇張せず、書き残された膨大な記録から描いている点がとてもよかったです。

注目したいのは、エフィーやその娘たち、妹たちを通して見えてくる、当時の女性が置かれていた環境とその変化。女性史においてエフィーが果たした役割が、小さいながらも説得力を持って書かれていました。